「叱る」と「ほめる」のバランスが子供の将来を変える｜心理学でわかる最適な割合

[PR]子供を愛し。守りながらしつけをする。新しいしつけかた。
効果的な育児方法
この記事は約5分で読めます。

「叱らないとわからない…」「でも褒めすぎても甘やかしになる…」
――そんな葛藤、ありますよね。

実はこのバランス、“どちらが多いか”ではなく、“どう伝えるか”が重要なんです。

心理学では「叱る：ほめる＝1：5」が最も効果的な比率とされています［Losada & Heaphy, 2004］。
このバランスが保たれている子供ほど、自己肯定感が高く、挑戦を続ける傾向があることが研究でわかっています。

この記事では、児童福祉の現場で10年以上、叱り方と褒め方の両方を実践してきた経験から、
「なぜその割合がいいのか？」「実際どうやって続けるのか？」を、具体的に解説します。

[PR]お金も時間も子供のやる気も無駄にしない。オンライン塾だから成果が出る。

親が感じる“叱るジレンマ”とは

「つい怒鳴ってしまう…」
「叱っても全然変わらない」

多くの親御さんが同じような悩みを抱えています。

僕自身も、長男が反抗期のとき、毎日のように叱っていました。
でも、叱るたびに彼の顔から笑顔が減っていったんです。

そこで気づいたのは、叱ること自体が悪いわけではなく、“叱り方と回数のバランス”が崩れていたということ。

関連記事おすすめ

子供の脳は「叱られ方」で変わる

脳科学では、叱られたときに扁桃体（感情の警報装置）が活性化し、
「危険」「否定された」と感じると、学習を司る前頭前野の働きが一時的に低下することがわかっています［APA, 2022］。

つまり、強い口調や感情的な叱責は、脳の学びモードを止めてしまうのです。

一方で、穏やかに「どうすればよかったと思う？」と促す叱り方は、
前頭前野の“自己省察”の領域を刺激し、考える力を育てる叱り方になります。

理想の割合は“叱る1：ほめる5”の理由

この比率の根拠は、ポジティブ心理学の研究にあります。

米国心理学者ロサダ博士の研究では、
チームや家庭の健全な関係性を保つための「肯定：否定」の理想比率は5：1とされました［Losada & Heaphy, 2004］。

つまり、叱ること自体は必要。
ただし、1回叱ったら、5回「できたね」「ありがとう」「助かった」と伝えることで、脳は「自分は大丈夫」と感じ、学びが継続します。

この比率が崩れると、子供は「自分は怒られる存在」と自己イメージを形成し、
自己肯定感が低下しやすくなります［厚生労働省, 2023］。

関連記事おすすめ

現場で実感した効果的な褒め方と叱り方

① 褒めるときは「結果」より「過程」

「100点取ってすごい！」よりも、「コツコツ勉強したね」の方が、子供の内発的動機を高めます。
努力を褒めることで、失敗を恐れず挑戦する力が育ちます［Dweck, 2006］。

② 叱るときは「人格」ではなく「行動」を

「あなたはだめ」ではなく、「この行動はよくなかった」と切り分けて伝える。
これは“行動修正”を促す基本で、自己否定を防ぐ叱り方です。

③ 叱った後に「回復コミュニケーション」を

叱った後、そのまま放置せず「さっきは叱ってごめんね。あなたのことは大好きだよ」と伝えることで、
安心と信頼が回復します。
これはアタッチメント理論に基づく関わり方で、心の安定に直結します［Bowlby, 1988］。

今日からできる家庭での習慣づくり

  1. 1日1回は“できたこと”を言葉にする。
  2. 叱ったときは、必ずその日のうちにフォローを。
  3. 「ありがとう」「助かった」など、肯定の言葉を意識的に5倍に。

最初は意識しないと難しいですが、続けているうちに自然と家庭の空気が変わります。

叱ることが減るのではなく、叱る必要がなくなる方向へ変化していくのです。

関連記事おすすめ

まとめ｜叱る＝悪ではなく“育てる技術”

叱ることは「愛情の反対」ではありません。
叱りながら、信頼関係を育てることもできます。

ただし、そのためには「叱る：ほめる＝1：5」を意識して、
子供が「叱られても愛されている」と感じられる関係を保つことが大切です。

叱る技術とは、子供の可能性を信じて言葉を選ぶ力。
それこそが、親が育てる“心の筋力”なのです。

【内部リンク】

FAQ

Q1. 叱らない育児はダメですか？
→ 「叱らない＝何もしない」ではありません。間違いを“教える”のは大事。ただし、怒鳴るのではなく「どうすれば良かったか」を一緒に考える形が理想です。

Q2. 褒めるところが見つからないときは？
→ 行動でなくても「挨拶できた」「片付け始めた」など、ほんの小さな変化を拾って言葉にするのがコツです。

Q3. 思春期になると褒めても嫌がります。
→ 照れの裏には“承認を求める心”があります。言葉以外に、笑顔や「ありがとう」で伝えるだけでも効果的です。

参考文献

  • Losada, M., & Heaphy, E. (2004). The Role of Positivity and Connectivity in the Performance of Business Teams.American Behavioral Scientist, 47(6), 740–765.
  • Dweck, C. (2006). Mindset: The New Psychology of Success. Random House.
  • Bowlby, J. (1988). A Secure Base: Parent-Child Attachment and Healthy Human Development. Basic Books.
  • American Psychological Association (APA). (2022). Parenting Styles and Emotional Regulation in Children.
  • 厚生労働省. (2023). 子どもの自己肯定感に関する調査報告書. https://www.mhlw.go.jp/

コメント

タイトルとURLをコピーしました