「気づけば一日中YouTubeばかり見ている…」
「動画を取り上げると泣く・怒る…」
そんな悩みを抱える家庭が増えています。
実は動画の見すぎは、子供の脳や感情、そして将来の学習意欲や人間関係にまで影響を及ぼすことが、最近の研究で明らかになっています。
この記事では、
・なぜ子供は動画に夢中になるのか
・動画の見すぎで脳に何が起こるのか
・そして親が“今できる”予防と対応法
を、心理士パパのリアルな視点で解説します。
子供が動画を見すぎる理由
子供が動画を見すぎるのは「怠けている」からではありません。
心理学的には、刺激と報酬の構造に原因があります。
YouTubeやTikTokなどの動画は、短い時間で強い刺激(色・音・笑い・テンポ)を次々に与えます。
この刺激が脳の「報酬系(ドーパミン回路)」を活性化し、“もっと見たい”という衝動を引き起こすのです[Kuss & Griffiths, 2017]。
つまり、動画視聴は“脳が快楽を求める自然な反応”であり、意志の弱さではありません。
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データで見る動画視聴の現状
2024年の総務省調査によると、
小学生の約75%が「毎日YouTubeを視聴」、中学生では約85%に達しています。
平均視聴時間は、
- 小学生:約1時間45分/日
- 中学生:約2時間30分/日
さらに、“ながら視聴”(勉強中・食事中など)が増えていることも指摘されています[総務省, 2024]。
この「常時刺激状態」が、脳と心の発達に少しずつ影響を与えていきます。
動画の見すぎが子供の脳・将来に与える影響
① 注意力と集中力の低下
動画はテンポが速く、常に画面が切り替わります。
この刺激に慣れると、ゆっくりした現実の情報処理に耐えられなくなるのです。
結果として、「授業が退屈」「本が読めない」「途中で飽きる」といった傾向が出ます[Christakis et al., 2018]。
② 感情コントロール力の低下
感情を整える前頭前野の発達は、10代後半まで続きます。
動画による過剰な刺激は、扁桃体(感情中枢)を過活動にし、イライラや衝動的な反応を招きやすくなります[APA, 2022]。
「取り上げると怒る」「癇癪を起こす」も、脳の興奮が収まらないサインです。
③ 言語・思考力の発達が遅れる
動画は“映像で理解できる”ため、言語的思考を使う機会が減ります。
「読む」「考える」「想像する」力が伸びにくく、将来的な読解力・表現力・論理的思考にも影響が出ることがあります[厚生労働省, 2023]。
④ 対人スキルと社会性の発達が弱まる
動画は一方向の刺激。
人と話す・感情を読み取る・間を取る、といった“相互的コミュニケーション”が育ちにくくなります。
将来的には「人間関係が苦手」「空気が読めない」「会話が続かない」などの課題につながる可能性があります。
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家庭でできる4つの対処法
① 「見る時間」ではなく「見方」を変える
「1日30分まで!」などの制限も大切ですが、
それ以上に大切なのは「何を、どう見て、どう話すか」。
教育的・創造的な動画を選び、親子で見ながら会話する時間を増やすと、思考力・語彙力が伸びやすくなります。
② スマホを“孤立空間”にしない
子供が1人でイヤホンをつけて長時間見るのは、最もリスクが高いパターンです。
リビングで一緒に見る、視聴後に「どんな動画だった?」と聞くなど、“共有”が鍵です。
③ 「退屈な時間」を奪わない
脳科学では、「退屈な時間」は創造性を生む“黄金の間”と呼ばれています。
動画を常に与えると、子供は「何もしていない=不安」と感じるようになります。
意図的に“何もない時間”を設けて、脳をリセットさせましょう。
④ 親も“スマホ時間”を見直す
親の姿は、最強のモデリング(模倣学習)です。
親がSNSや動画を見ながら「ちょっと待って」と言うと、
子供は“動画が生活の中心”と学習してしまいます。
親のスマホ習慣こそ、子供の未来を映す鏡です。
将来につながる「メディアとの付き合い方」
これからの時代、動画やデジタルは“避けるもの”ではなく“使いこなすもの”です。
重要なのは、「受け身の視聴」から「主体的な活用」へと変えること。
動画を“情報源”として使い、自分の考えを発信できる力(メディアリテラシー)を育てれば、
将来は強力な武器になります。
つまり、「見すぎない」より「使いこなす」が現代の子育てのキーワードです。
【まとめ】
動画の見すぎは、短期的には静かで楽に見える行動ですが、
長期的には「集中力・感情・思考力・社会性」に影響を及ぼす可能性があります。
でも、親が“禁止”ではなく“理解と共に整える姿勢”を持てば、
子供は「自分でコントロールできる力」を身につけていきます。
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FAQ
Q1. 動画を見せすぎると本当に脳が悪くなるの?
→ “悪くなる”というより、“発達の偏り”が起こります。見る時間より「内容と関わり方」が重要です。
Q2. 完全にやめさせた方がいい?
→ 禁止は逆効果。反発や隠れ視聴が起きやすくなります。徐々にバランスを整えましょう。
Q3. 教育系動画なら大丈夫?
→ 教育系でも“受け身で見続ける”と効果は薄いです。視聴後に親子で話す時間を持つことが大切です。
参考文献
- Kuss, D. J., & Griffiths, M. D. (2017). Internet and Video Viewing Addiction: A Systematic Review. Int. J. Mental Health & Addiction, 15(2), 304–322.
- American Psychological Association (APA). (2022). Media Use and Child Development.
- Christakis, D. A. et al. (2018). Early Media Exposure and Attention Problems in Children. Pediatrics, 142(2), e20173705.
- 厚生労働省. (2023). 児童のメディア接触と発達に関する報告書. https://www.mhlw.go.jp/
- 総務省. (2024). 青少年のインターネット利用状況に関する調査. https://www.soumu.go.jp/


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