「気づけば毎日スプラトゥーンばかり」
「やめなさいと言っても聞かない」
「怒ると逆ギレしてくる…」
そんな悩み、今の家庭ではとても多いです。
でも実は、「やりすぎ」の裏には“脳の仕組み”と“心のメッセージ”が隠れています。
この記事では、児童福祉の現場で10年以上子供と関わってきた僕が、
スプラトゥーンをやりすぎる子の心理と、親ができる具体的対処を紹介します。
子供がスプラトゥーンをやりすぎるのはなぜ?
まず前提として、スプラトゥーンは「やりすぎるように設計されたゲーム」です。
オンライン対戦・色の爽快感・BGMのテンポなど、すべてが“脳を気持ちよくさせる刺激”で構成されています。
特に子供は前頭前野(理性や我慢を司る脳の部位)が未発達のため、「やめたいのにやめられない」状態になりやすいのです[APA, 2022]。
さらに、スプラトゥーンは「仲間との協力」「チームワーク」「勝敗の即時フィードバック」という社会的報酬が得られます。
これは学校や家庭での“承認欲求”と似た働きを持ち、現実で満たされない分を補っている可能性があります。
関連記事おすすめ
スプラトゥーンにハマる子のリアルストーリー
ある小学校5年生の男の子。
放課後は友達とスプラトゥーンをオンラインでプレイ。
「勝てた!」と笑う日もあれば、負けてコントローラーを投げる日もありました。
母親は「宿題しなさい!」と何度も注意。
でも、彼にとってスプラトゥーンは**“自分が主役になれる唯一の場所”**だったのです。
学校ではいじられ役、家庭では叱られ役。
でもゲームの中では「リーダー」になれる。
この“立場の変化”こそが、子供をゲームに引きつける一番の要因なのです。
ゲーム依存を引き起こす脳の仕組み
① ドーパミンの快楽ループ
スプラトゥーンで勝った瞬間、脳内では「快感物質ドーパミン」が分泌されます。
これが「またやりたい!」という欲求を生み、繰り返すうちに依存回路ができていきます[Kuss & Griffiths, 2017]。
② 扁桃体の興奮と情動の乱れ
強い対戦刺激が続くと、扁桃体(怒りや恐怖を司る部位)が過剰に反応します。
結果、日常でもイライラしやすくなり、「もうやめろ!」と言われると爆発してしまうのです。
③ セロトニン不足
外遊び・日光・会話などが減ると、安定ホルモン“セロトニン”が不足します。
セロトニンは「心のブレーキ」と言われる物質で、これが足りないと感情を抑えにくくなります。
関連記事おすすめ
家庭でできる4つの対処ステップ
① 否定より「共感」から始める
「そんなにゲームばっかり!」よりも、
「楽しいんだね」「勝つと嬉しいよね」と気持ちを言語化してあげること。
共感から始めることで、子供は“理解された”と感じ、対話が開きます。
② ゲーム以外の「達成感」を用意する
人は“認められる場所”が1つしかないと、そこに依存します。
「料理を手伝ってくれて助かったよ」など、家庭内でも“ありがとう”を増やしましょう。
達成感が分散すると、自然にゲーム時間は減ります。
③ ゲーム時間を「子供と一緒に決める」
親が勝手にルールを決めると反発します。
「1日2試合」「宿題後にプレイOK」など、子供が納得して守れるラインを一緒に考えるのがコツです。
これは“自己決定理論”に基づく方法で、意欲と責任感を育てます[Deci & Ryan, 2000]。
④ 「やめる」より「切り替える」習慣を作る
「やめなさい!」は脳がストレスを感じて逆効果。
代わりに「次は○○しようか」「5分後に風呂に行こう」と未来行動に意識を向ける声かけが有効です。
関連記事おすすめ
親子で“ゲームとの上手な付き合い方”を育てる
スプラトゥーンをやりすぎること自体は、悪いことではありません。
問題は「他のことが何もできなくなるほど、ゲームだけに偏ること」。
子供が自分で“バランス”を取れるようになるには、
親が“禁止する人”ではなく、“一緒に調整する人”になることが大切です。
ゲームも、使い方次第で「集中力」「戦略的思考」「チームワーク」を育てる教材になります。
大切なのは、「敵」ではなく「共に学ぶ相棒」として見ることです。
【まとめ】
スプラトゥーンの“やりすぎ”は、単なる遊びすぎではなく、心の居場所の偏りのサインかもしれません。
- やめさせるより、理解する
- 制限するより、一緒に決める
- 叱るより、褒めるポイントを見つける
この3つを意識するだけで、親子の関係はぐっと変わります。
【内部リンク提案】
- 子供がゲーム依存症になったときの対処法【ゲームは報酬】【ゲーム依存症と疑う前に】
- 【面倒くさがり】子供がめんどくさがりになったときに持っておきたい親の考え方【対処法】
- 【やっちゃだめ】子供と信頼関係が作れていない大人ほどやっているNG行動
FAQ
Q1. ゲームを隠したら余計に怒りました。どうすれば?
→ 強制的に奪うと、信頼関係が壊れます。
「ゲームをどう使えば気持ちよく生活できるか」を一緒に話し合う方が効果的です。
Q2. ゲームのせいで成績が下がったらどうすれば?
→ 叱るより「一緒に勉強時間を作る」。
短時間でも集中できたらしっかり褒めると、脳は“成功体験”を覚え、勉強も楽しくなります。
Q3. ゲーム禁止は必要?
→ 「禁止」は最終手段です。
まずは“自分で調整できる習慣”を育てる方向で関わりましょう。
参考文献
- Kuss, D. J., & Griffiths, M. D. (2017). Internet Gaming Addiction: A Systematic Review of Empirical Research. International Journal of Mental Health and Addiction, 15(2), 304–322.
- American Psychological Association (APA). (2022). Video Game Play and Children’s Brain Development.
- Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000). Self‐Determination Theory and the Facilitation of Intrinsic Motivation. American Psychologist, 55(1), 68–78.
- 厚生労働省. (2023). 児童のメンタルヘルスと依存行動に関する報告書. https://www.mhlw.go.jp/


コメント