「うちの子、最近ずっとAPEXばかりで全然勉強しない」
「ゲームをやめさせると暴れるから怖い…」
そんな声、現場でも本当に多いです。
実はAPEXのようなオンライン対戦ゲームは、脳の報酬系(ドーパミン回路)を強く刺激する設計になっています。
子供が夢中になるのは自然なこと。でも放っておくと「やりすぎ」が習慣化して、生活リズムや自己コントロール力に影響を与えることもあります。
この記事では、児童福祉現場で10年以上子どもと関わってきた経験と、心理学・脳科学の知見をもとに、
「なぜAPEXをやりすぎるのか?」そして「親はどう関わるべきか?」を、実践的にお話しします。
誤解:「APEX依存=悪いこと」ではない
多くの親御さんが「ゲーム依存=悪」と考えがちですが、これは半分誤解です。
なぜなら、子供がAPEXをやりすぎる背景には“欲求のバランス”の崩れがあるからです。
APEXは、仲間との協力プレイ・勝利による達成感・コミュニケーションの楽しさを同時に得られるゲームです。
これらは、子供が本来「学校や友達関係」で満たしたい欲求とよく似ています。
つまり、現実で満たされにくい“承認欲求”や“達成感”を、APEXで補っている可能性があるのです。
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真実:ゲームが子供の脳に与える3つの影響
① ドーパミンの過剰分泌
APEXで勝つ瞬間、脳内では「快感ホルモン」と呼ばれるドーパミンが大量に分泌されます。
この快感が強すぎると、“もう一度あの感覚を味わいたい”という欲求が高まり、やめられなくなります[Kuss & Griffiths, 2017]。
② 扁桃体の興奮と集中力の偏り
強い刺激(銃撃音や対戦プレッシャー)が続くと、脳の扁桃体が興奮しやすくなります。
これにより、日常の小さなストレスにも過敏に反応し、情緒が不安定になるケースもあります[APA, 2022]。
③ 自己コントロール機能の未成熟
前頭前野(理性や判断を司る部位)は10代後半で発達します。
つまり、小中学生では「やめよう」と思っても制御が難しいのです[厚生労働省, 2023]。
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実例:現場で見た“ゲーム漬け”になった子どもの共通点
私は児童福祉の現場で、APEXなどのオンラインゲームにのめり込んだ子を何人も見てきました。
共通していたのは、「ゲーム以外に楽しめることがない」「家庭での会話が減っている」こと。
たとえばある中学生の男の子。
学校ではうまくいかず、家でも叱られてばかり。
でもAPEXでは“味方に感謝される自分”になれる。
それが彼にとって唯一の「自己肯定感の源」だったのです。
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実行法:家庭でできる4つの具体的対処
① 「やめなさい」より「一緒に見せて」
まずは敵ではなく“観察者”になること。
APEXを一緒に見て「すごいね、この連携」と興味を示すと、子供は心を開きやすくなります。
共感→信頼→対話の流れが大切です。
② ゲーム時間を“自分で決めさせる”
親が一方的に制限を決めると反発します。
「平日は1時間、休日は2試合まで」など、子供と一緒にルールを設計しましょう。
自分で決めたルールは守りやすくなります(自己決定理論[Deci & Ryan, 2000])。
③ 現実世界でも「達成感」を作る
部活・習い事・家庭内の手伝いなど、現実でも達成体験を増やすと、ゲーム依存は減ります。
“認められる場”が複数あると、人はバランスを保ちやすいのです。
④ ストレスケアをセットにする
脳科学的には、「ストレス→報酬行動(ゲーム)」の流れが強化されます。
親自身も一緒にリラックスする時間を持つことで、子供の安心感が高まり、過剰な逃避行動が減ります。
まとめ:親ができるのは「制限」より「理解」
APEXをやりすぎる子どもを前にすると、「やめさせたい」と思うのが親心です。
でも、行動の裏には“満たされていない何か”があります。
ゲームを奪うのではなく、心の居場所を増やす。
これが、根本的な解決への第一歩です。
【内部リンク提案】
- 子供がゲーム依存症になったときの対処法【ゲームは報酬】【ゲーム依存症と疑う前に】
- 【感情コントロール】大人が子供を「叱る」「怒る」理由【判断材料】
- 【面倒くさがり】子供がめんどくさがりになったときに持っておきたい親の考え方【対処法】
FAQ(よくある質問)
Q1. 子供が夜中までAPEXをやめません。どうしたらいい?
→ まず「睡眠」が最優先。ルールを守れない時は「翌日の眠気」で実害を一緒に確認しましょう。感情より“事実”で伝えることが大切です。
Q2. 罰としてゲーム機を隠すのはあり?
→ 一時的な効果はありますが、根本解決にはなりません。反発を強めるリスクがあります。話し合いと信頼関係の再構築を優先しましょう。
Q3. ゲーム時間をどう管理すればいい?
→ 親がアプリやタイマーで管理するよりも、子供が自分でコントロールできる環境を作る方が長続きします。
参考文献
- Kuss, D. J., & Griffiths, M. D. (2017). Social Networking Sites and Addiction: Ten Lessons Learned. International Journal of Environmental Research and Public Health, 14(3), 311.
- American Psychological Association (APA). (2022). Video Game Play and Children’s Brain Development.
- 厚生労働省. (2023). 児童のメンタルヘルスに関する指針. https://www.mhlw.go.jp/
- Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000). The “What” and “Why” of Goal Pursuits: Human Needs and the Self‐Determination of Behavior. Psychological Inquiry, 11(4), 227–268.


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