「うちの子、サッカーを始めたいって言ってるけど大丈夫かな?」
「チームスポーツって性格も変えるって聞くけど、どんな影響があるの?」
そんな疑問を持つ親御さんも多いですよね。
結論から言えば――
サッカーは、体だけでなく“脳と心の発達”にとても良い影響を与えるスポーツです。
ただし、指導や親の関わり方を間違えると逆効果にもなります。
この記事では、児童福祉の現場で10年以上子供のスポーツ活動を見てきた僕が、
サッカーの“本当の教育効果”を、心理学と脳科学の両面からお伝えします。
誤解:サッカーは“運動神経を鍛えるだけ”の習い事
「運動が得意になるためのスポーツ」と思われがちなサッカー。
ですが、実際にはそれ以上の効果があります。
サッカーは、判断力・空間認知力・社会性・情動コントロールといった、
“脳の総合トレーニング”でもあるんです[Vestberg et al., 2012]。
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真実:サッカーが子供に与える良い影響
① 判断力・集中力が高まる
サッカーは「走りながら考える」スポーツ。
脳の前頭前野(判断と抑制の中枢)が活発に働き、
集中力・判断力・問題解決力が自然に鍛えられます[Vestberg et al., 2017]。
② チームワーク・協調性の発達
サッカーは仲間との連携が命。
「どう動けば味方が助かるか?」を考える過程で、共感力・社会性が育ちます。
これは心理学でいう“視点取得(Perspective taking)”の訓練にもなります。
③ 自己肯定感とレジリエンスの向上
練習や試合の中で、
「できた!」「次こそ!」という小さな達成体験を積み重ねることで、
子供の中に「自分はできる」という自己効力感が生まれます[Bandura, 1997]。
また、試合で負けたり、失敗したときに再び立ち上がる経験が、
ストレス耐性(レジリエンス)を育てることも多くの研究で報告されています。
④ 運動で脳が元気になる
有酸素運動は、脳内のBDNF(脳由来神経栄養因子)を増やし、
神経細胞の結びつきを強化します。
結果として、記憶力や学習力も向上します[Ratey, 2008]。
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実例:サッカーを通して変わった子供たち
僕が関わった小学4年生の男の子。
最初は人前で話せないほど内気でした。
でも、サッカーを始めて半年で、
「チームをまとめる副キャプテン」に立候補するようになったんです。
彼が変わった理由は、「仲間に応援される経験」でした。
人は、認められる体験を通して自信を持ち始めます。
一方で、もう一人の男の子は“怒鳴る指導者”のもとで心が折れました。
練習中にミスを責められ続けた結果、
「どうせ俺なんか」と口にするようになったのです。
同じサッカーでも、環境と関わり方で180度違う結果になる――
これは現場で痛感している事実です。
実行法:親ができる関わり方3ステップ
① 試合後は“反省”より“共感”
「何で負けたの?」ではなく、「暑い中よく頑張ったね」と声をかけましょう。
子供の脳は「安心感」があるときに最も成長します。
② 「できたこと探し」を習慣に
負けたときこそ、「パスが上手く通ったね」「声を出せたね」と、
“できた行動”に目を向ける。
これは自己肯定感を支える親のスキルです。
③ チーム・コーチへの“過干渉”を避ける
親が試合後にコーチへ意見したり、子供のプレーに口出しすると、
子供が“評価されるためにプレーする”ようになります。
見守りながら応援する姿勢が、最も良い効果を生みます。
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まとめ|サッカーは“生きる力”を育てる習い事
サッカーは、
・考える力(脳)
・感じる力(心)
・協力する力(社会性)
を同時に育てる「人間教育の場」です。
親が意識したいのは、
「勝った・負けた」ではなく、「どんな成長があったか」を見ること。
サッカーは、“結果を出すため”ではなく“成長を続けるため”のスポーツ。
その視点を持つだけで、子供の未来は大きく変わります。
【内部リンク】
- 【大人も子供も】身体を動かして運動しながら遊ぶと脳が育つ!【子育て脳科学】
- 【教育心理学】知っていれば応用が利く!子育てに役立つ心理学5選【まとめ】
- 【主体性】親がよくやっちゃう先回り教育は子供の主体性をなくす!【子育て】
FAQ
Q1. サッカーをやると勉強に悪影響はありますか?
→ いいえ。運動で脳の神経回路が活発になり、集中力や記憶力も向上するという研究があります。
Q2. チームで上手くいかず悩んでいます。
→ 「嫌だったね」「どうすればよかったと思う?」と共感+自己省察を促す声かけが効果的です。
Q3. サッカーが合わないと感じたらやめてもいい?
→ もちろん。やめる=逃げではありません。“自分に合った挑戦”を選べる力も成長の一部です。
参考文献
- Vestberg, T., et al. (2012). Executive functions predict the success of top-soccer players. PLoS ONE, 7(4), e34731.
- Vestberg, T., et al. (2017). Cognitive functions and soccer performance. Frontiers in Psychology, 8, 1050.
- Bandura, A. (1997). Self-Efficacy: The Exercise of Control. Freeman.
- Ratey, J. J. (2008). Spark: The Revolutionary New Science of Exercise and the Brain. Little, Brown and Company.
- APA. (2022). Sports participation and child development.
- 厚生労働省. (2023). 子どものスポーツとメンタルヘルスに関する調査報告. https://www.mhlw.go.jp/


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