【子供の怒鳴り行動】ストレスのサインを見抜いて穏やかに関わる方法

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「そんな大きな声出さなくてもいいでしょ!」
思わず怒鳴り返してしまったあとに、自己嫌悪…。

でも実は、子供が怒鳴るのは“反抗”ではなく、SOSのサインなんです。

児童福祉の現場で10年以上、数百人の子供たちと関わってきた経験から言えるのは、
「怒鳴る子ほど、心の中は混乱している」ということ。

この記事では、子供の怒鳴り行動の心理的・脳科学的メカニズムを解説しながら、
親が今日からできる“穏やかに受け止める関わり方”を紹介します。


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子供が怒鳴るのは「ストレス反応」だった

怒鳴る=反抗ではなく“防衛反応”

人間の脳はストレスを感じると、まず扁桃体(へんとうたい)が過剰に反応します。
この部分は“危険を察知して戦う・逃げる”反応を司るため、
怒鳴る・泣く・逃げるなどの行動として表れるのです[LeDoux, 2014]。

つまり、子供が怒鳴るのは「もう限界!」「助けて!」という心の叫び。
大人が感情的に返すほど、脳はさらに興奮してしまいます。


ストレスの原因は「環境+自己否定」

怒鳴る子の多くは、学校・家庭・友人関係などで
“自分をうまく表現できない”ストレスを抱えています。

たとえば、

  • 学校で我慢している(先生や友達との摩擦)
  • 家では完璧を求められている
  • 失敗を責められる経験が多い

こうしたストレスが蓄積すると、脳が過剰警戒モード(fight状態)になり、
ちょっとしたきっかけで爆発してしまいます。


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怒鳴る子供の脳の中で何が起きている?

脳科学では、怒りや恐怖のコントロールには扁桃体と前頭前野のバランスが大切とされています。
子供の場合、この前頭前野(感情を抑えるブレーキ部分)がまだ発達途中。

つまり、怒りのアクセル(扁桃体)は強く、
ブレーキ(前頭前野)はまだ弱い状態なのです[Casey et al., 2011]。

だからこそ、
「怒鳴る=悪い子」ではなく、「まだ感情を調整する脳が育っていない」と理解することが大切です。


親がやってしまいがちなNG対応

①「怒鳴り返す」

子供の扁桃体が興奮している時に、親も大声で返すと、
扁桃体同士が“共鳴”して興奮が倍増します[Siegel, 2020]。

→ 一度深呼吸して「落ち着いてから話そう」と伝えましょう。


②「感情を否定する」

「そんなことで怒るな」「泣くな!」などの言葉は、
自己否定を強めてしまいます。
感情を“受け止める→整える→行動を導く”順番を意識すると効果的です。


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感情の爆発を防ぐ3つのステップ

① 「共感ファースト」で話を聞く

まずは、

「そんなに怒るほどイヤだったんだね」
「怖かったんだね」
感情に名前をつけて共感します。

これにより、扁桃体の過活動が落ち着き、前頭前野が働き始めます[Lieberman et al., 2007]。


② 「安全な空間」をつくる

怒りのピーク時に言葉で説得しても逆効果。
まずは“静かな場所・安心できる空間”で落ち着かせましょう。


③ 「再現ゲーム」で整理する

落ち着いた後、「さっきの気持ち、マンガで描いてみよう」「どんな気持ちだった?」など、
視覚化・言語化の遊びで整理を促すと、感情処理能力が育ちます。


心が落ち着く“日常の習慣”

  • 親子で一日一回“ほめタイム”を作る
  • 深呼吸やストレッチなどの自律神経を整える習慣を導入
  • 寝不足・過剰なスマホ時間を見直す(脳の興奮抑制)

脳は“穏やかさ”を繰り返すほど、それを標準状態として学習します。


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【まとめ|怒鳴りは「助けて」のサイン

怒鳴ることは、“自分でもどうしていいか分からない”という無言のSOS。
叱るより、「理解」から始めてあげましょう。

感情をコントロールする力は、「安心の積み重ね」で育ちます。

親が変わると、子供の脳の反応も確実に変わります。
今日から“怒鳴りの裏にある気持ち”を見つめていきましょう。


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【参考文献】

  • LeDoux, J. E. (2014). Anxious: Using the brain to understand and treat fear and anxiety. Viking.
  • Casey, B. J., et al. (2011). Braking and accelerating of the adolescent brain. Journal of Research on Adolescence, 21(1), 21–33.
  • Siegel, D. J. (2020). The Developing Mind: How Relationships and the Brain Interact to Shape Who We Are (3rd ed.). Guilford Press.
  • Lieberman, M. D. et al. (2007). Putting feelings into words: Affect labeling disrupts amygdala activity. Psychological Science, 18(5), 421–428.
  • 厚生労働省. (2023). 子どもの感情とメンタルヘルスに関するガイドライン. https://www.mhlw.go.jp/

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