【行動分析学】子供の悪い癖や悪い習慣を治す方法と知恵【応用心理学】

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子育てで使える心理学
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相談者
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子供の『悪い癖』を治したいんだけど、どんなアプローチ方法がいいかしら・・・

ボスゴリラ
ボスゴリラ

子供の悪い癖を治す方法はいくつかあります!

今回の記事では心理学の分野『行動分析学』を用いて、悪い癖を治す方法を解説していきますね!

こんな人にオススメ
・子供の悪い癖を治したい
・子供の悪い癖に替わる、良い習慣を身につけさせたい
・子供を怒る自分にうんざりしている
・子供と楽しく過ごしたい
 
記事を書いた人:ボスゴリラ
経歴:児童厚生施設や児童福祉施設など子供関係の職種に20年ほど携わり、
現在は児童発達支援施設で勤務している3児の父です。
趣味:脳科学や心理学などの人間関係に役立つ学問を学び、職場やSNSで発信&活用すること。

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初めに『行動分析学』とは

行動分析学(こうどうぶんせきがく;Behavior Analysis)とは、バラス・スキナー(Burrhus Frederick Skinner)が新行動主義心理学をさらに改革し、新たに起こした徹底的行動主義(radical behaviorism)に基づく心理学の一体系である。歴史的には、フロイトユングらの精神分析学に対抗する形で発展してきた。

行動分析学とは字義通り人間または動物などの行動を分析する学問である。行動は、生物ができるすべての行動を対象とする。具体的には、独立変数(環境)を操作することで従属変数(行動)がどの程度変化したかを記述することによって、行動の「原理」や「法則」を導き出す。これを実験的行動分析(じっけんてきこうどうぶんせき;en:Experimental analysis of behavior)という。これにより、行動の「予測」と「制御」が可能になる。その成果は、人間や動物のさまざまな問題行動の解決に応用されている。これを応用行動分析(おうようこうどうぶんせき;Applied Behavior Analysis)と呼ぶ。

行動分析学の基本的な「原理」は、レスポンデント条件づけ(別名古典的条件づけまたはパブロフ型条件づけ)とオペラント条件づけ(別名道具的条件づけ)の二つにある。

引用元:ウィキペディア-行動分析-

行動分析学は、他の心理学に対して次のような特徴を持つ。

  • 行動についての哲学的な立場として、徹底的行動主義を採用する。
  • ヒトだけでなく動物を含むオペラント行動を研究対象とする。
  • ある行動の予測と制御ができることをもって、その行動を理解できたとする。
  • 行動の原因として、環境要因を重視する。
  • 研究法としての実験計画法統計的検定に基づく群間比較を用いず、行動の直接制御による単一被験体法を採用する。
行動分析学は、心理学の一般的な考え方(心の問題)に原因があると考えずに、行動の原因は環境や、行動の後に起こる環境の変化にあると考える。
 

行動分析学を実用するときのポイント

行動分析学で用いる基本的な概念

行動後に出現&消失する『強化子(報酬刺激)』『弱化子(嫌悪刺激)』によって、その行動の生起頻度の増減を確認し、行動のコントロールをする。

強化子=報酬や良い事など、本人が望むもの。好子とも呼ばれる。
弱化子=嫌悪刺激など、本人が望まないもの。嫌子とも呼ばれる。
 

① 強化子&弱化子の特定

実用する前に、対象の人にとっての『強化子』『弱化子』を特定する必要があります。

上記でも書いた通り『強化子=本人が望むもの』『弱化子=本人が望まないもの』ということで間違いないのですが、大切なことは『本人が』というところです。

例えば、一般的に『誰かに褒められる』は報酬刺激で対象の人が望むものと考えることが多いと思いますが、その対象の人にとっては嫌悪刺激となっている場合もあるので、一般的な考え方を当てはめようとせずに本人の望むものは何かを見定める必要があります。

強化子&弱化子の特定方法例
本人に聞く
→時間とお金が無限にあったら何がしたい? など
実用前に多様な報酬刺激を用意して選んでもらう
→工作キット、お菓子、ゲーム、遊び道具、パソコン、タブレットなど対象の人が選びそうなものを用意しておく
 

② 行動頻度の確認

正の強化=行動の後に強化子が出現して、行動頻度が増える

行動の後に強化子が出現することで、行動の生起頻度が増えることを『正の強化』と呼ぶ。

例 
・勉強してテストで良い点を取り、ご褒美をもらった
→ 次のテストの時にも勉強するようになる。… 生起頻度の増大

・母親の手伝いをしたら、お小遣いを貰った
→ お手伝いを率先して行うようになった。… 生起頻度の増大

・犬が前足を飼い主の手に乗せたら、エサを貰い褒められた。
→ 自然に飼い主の手に前足を乗せるようになった。… 生起頻度の増大

負の強化=行動の後に弱化子が消失することで、行動頻度が増える

行動の後に弱化子が消失することで、行動の生起頻度が増える事ことを『負の強化』と呼ぶ。

例 

・頭痛で気分が悪いとき”A”という薬を飲んだら治った
→ 今後、頭痛に苦しんだ時にも同じ薬を飲んでみようと思う。… 生起頻度の増大

・臭いものに蓋
→ 臭い物に蓋をすると「臭さ」が消失するので、また蓋をする。… 生起頻度の増大

・スピード違反が警察に見つかり罰金を取られた。
→ スピードを守るようになった。… 生起頻度の増大

正の弱化=行動の後に弱化子が出現することで、行動頻度が減る

行動の後に弱化子が出現することで、行動の生起頻度が減ることを『正の弱化』と呼ぶ。

例 

熱いストーブを触ったらやけどをした。
→ストーブを触らなくなった。… 生起頻度の減少

おやつを盗み食いしたら、母親に叱られた。
→盗み食いをしなくなった。… 生起頻度の減少

勉強を頑張ったけど、もっと勉強するようにと言われた
→勉強をしなくなった… 生起頻度の減少

負の弱化=行動の後に強化子が消失することで、行動頻度が減る

行動の後に弱化子が消失することで、行動の生起頻度が減ることを『負の弱化』と呼ぶ。

 

子供がおもちゃを持って騒いでいたので、おもちゃを没収した。
→おもちゃを持って騒がなくなった。… 生起頻度の減少

 
図で表すと下記のようになります。
行動の増減を確認することで、望ましい行動・望ましくない行動をコントロールすることがしやすくなります。
出現消失
報酬刺激正の強化(行動増加)正の弱化(行動減少)
嫌悪刺激負の強化(行動増加)負の弱化(行動減少)

実用法① トークンエコノミー法

トークンエコノミー法とは

対象の人が望ましい行動をした直後に『トークン=疑似通貨』を与え、トークンと交換できる『強化子』を用意しておくことで望ましい行動を増やしていく。

望ましい行動の例
・手洗いうがいをする 
→1トークン
・勉強をする
→5トークン
・掃除をする
→3トークン
 
トークンが溜まったら、強化子と交換できるので子供はトークンを溜めようと望ましい行動を積極的に行うようになります。
 

※罰金システムを導入することもできる

罰金システムは初期の導入段階では望ましくないものなので、トークンエコノミー法に慣れたころに導入することが多いです。

望ましくない行動の例
・兄弟喧嘩をする
→ -1トークン
・片づけをしない
→ -1トークン
 
罰金システムを導入することで、トークンが減らさないように慎重に行動するようになります。
 

まとめ:行動分析学を実用すれば、望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らすことが可能

子供の悪い癖を治したいと考える親御さんは、世界中に沢山いると思います。

正しい技術を使えば、子供の悪い癖を取り除いたり、何かに代替することも可能です。

今回、行動分析学を応用したトークンエコノミー法は、数ある中の一例でしかありません。

お子さんに合った技法を組み合わせて、親子で楽しめるような子育てを心掛けてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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